2.開設までの流れ

2018年11月15日

2.開設までの流れ

導入に向けての検討事項と注意事項について時系列を追って解説します。

(1)導入検討

①市場性

導入するか否かの判断として一番ポイントとなるのが、ターゲットとする地域に幼児低学年指導に対するニーズ があるかということです。それを判断する材料となるのが、当該地域に低学年向けの学習教室があるのかということです。また、地域の幼稚園での園児数の推移も判断材料となります。

既に多くの教室があり、それなりに繁盛していれば、ニーズがあり可能性の高い地域ということができます。

②時間割

通常2時から6時のあいだで、クラスを設定します。当初は、4時スタートのクラスから設定し、生徒の増加に伴い前後にクラスを増やしていく形が無難です。

③月謝

いくらでなければいけないということはないのですが、大手のチェーン教室が一教科週2回で6,300円であることが一つの参考になります。多くの方が週一回で、5〜7千円、週二回で、6〜12千円を設定されています。

月謝設定例

幼児(4才〜)
年長
1年生
2年生
3年生
4年生
週1回
7,000円
7,000
6,000
6,000
6,000
7,000
週2回
10,000
10,000
9,000
9,000
9,000
12,000

④採算性

生徒数に対する単月での収支の概算です。

生徒数(人)
5
10
20
30
40
50
基本データ 一人当たり平均月謝
7,000
8,000
8,000
8,000
8,000
8,000
月間授業時間(時間)
9
9
18
27
36
45
準備時間(時間)
4.5
4.5
9
13.5
18
22.5
一人当たり教材費
600
600
600
600
600
600
採算

(円)

売上
40,000
80,000
160,000
240,000
320,000
400,000
講師費用(@1,200)
16,200
16,200
32,400
48,600
64,800
81,000
教材費
3,000
6,000
12,000
18,000
24,000
30,000
雑費
3,000
6,000
12,000
18,000
24,000
30,000
損益
17,800
51,800
103,600
155,400
207,200
259,000

 

⑤戦略性

幼児・低学年指導を導入するにあたっては、明確な戦略思考が必要となってきます。それは、幼児・低学年市場にはすでに、主婦を指導者とした大手FC教室が全国に展開されていて、その知名度も十分あるからです。入塾の最終決定者である母親にとって、比較対照となるのが当該大手FC教室なのです。当社の教材で幼児・低学年指導の内容がどのように違っていて、どのようなメリットデメリットがあるのかを、把握しておくことが重要になります。

そして、もう一点、皆様の教室にとって当社の幼児・低学年システムがどのような意味を持つのかということです。たとえば、すでに低学年指導に対する要望が寄せられていて教材を探していた場合と、塾生の早期囲い込みとして考えるのかでは、方針が違ってきます。しっかりした定義付けをしておく必要があります。ただ、適当に(そんなことはないと思いますが)利益があがればいい、と考えるのでは効果が評価できません。

(2)指導マニュアルの理解

れんしゅうちょうシリーズを導入するにあたっては当初、指導書を一読してください。経営者の視点で、どのような運用がされるのか概要をつかむためです。内容をすべて理解する必要はありません。どのような教材構成で、どのような運用方式をとるのか概略をつかんでください。

ただし、現場の指導者にとっては詳細にいたるところまで理解していただくことが必要なります。

(3)指導者の確保

指導者の確保については充分に留意が必要です。教室運営の成功の鍵を握っているのが指導者だからです。以下が指導者選定のポイントとなります。

・年齢はあまりこだわらなくていいが、子どもにとって好意を抱くことができるような指導者が好ましい。(暗い、短期、おこりっぽい、は避けたほうがいい)

・子育てがある程度終わった女性か、子どもがいない女性が望ましい。

・母親とコミュニケーションが取れる方。

・気配りのきく方。

当初は、二人以上の指導者を確保して、様子をみて判断することを勧めます。

(4)生徒募集

生徒募集の手段としては次の方法が考えられます。

・現塾生の、弟、妹。

・幼稚園等との連携。

・チラシ配布、DM配布。

・イベント企画。

などです。

その中でも、気軽に実施できるのがチラシ配布ですが、注意点があります。

配布するチラシは、幼児低学年専用のものにするということです。従来の小学高学年、中学生の生徒募集チラシと一緒にしないということです。理由は、幼児・低学年教室を選ぶ母親の認識と、従来の塾選びの母親の認識が違うからです。

(5)体験学習リハーサル

体験学習の前にリハーサルが必要です。できれば、在塾生の弟や妹に参加してもらうといいでしょう。

(6)体験学習

体験学習の回数は、3〜4回程度が望ましいと考えられます。1回では子どもにとって も親にとっても、判断しきれないからです。3回学習することにより、学習する内容が理解でき、また、家での学習に対するサポートもアピールできます。

(7)親へのフォロー

いろいろなタイプの親がいるなかで、共通していることは、自分の子どものことを評価して欲しいという欲求です。注意点を指摘することは結構ですが、必ず良い点を最低でも一つは誉めてあげてください。

(8)入塾手続き

3回の体験学習が子どもにとって楽しい内容であれば、必ず入塾の手続きにつながります。スタッフ間で事前の役割分担を決めてください。

(9)DM、チラシ

DM・チラシによる生徒募集に際しての注意は、新規に専用のチラシもしくはDMを用意するということです。従来のチラシのなかで、「学年を増やしました」という表現で新規に募集をかけてもほとんど効果はありません。なぜなら、小学低学年の子どもをもつ親の意識は、従来の高学年、もしくは中学生の子どもをもった親の意識とは違うからなのです。

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